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事故原因は「異常な運転」/JR福知山線脱線事故
尼崎脱線事故/事故調中間報告では「なぜ」分からぬまま
2005年09月06日 毎日新聞社

尼崎脱線事故で、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会が6日公表した中間報告は、死亡した高見隆二郎運転士の異常な運転ぶりを示した。今後の調査は、「なぜ減速しなかったのか」の解明が最大の課題となる。遺族からは「分からないことが多すぎる」との不満の声が上がった。



事故前日、高見運転士は深夜まで勤務し、東大阪市内の駅にある施設に宿泊。

当日は午前6時48分から乗務を始め、同8時55分、回送電車で宝塚駅に到着した。
その時、加速したまま制限速度を20キロ以上上回る時速六十数キロで進入。警報が鳴ったが解除しなかったため、ATS(自動列車停止装置)が作動して緊急停止した。停止時間が長かったため、運転を再開した後、別のATSが作動して再び緊急停止した。

午前9時3分、宝塚駅出発。伊丹駅ではブレーキ操作が遅れ、約70メートルオーバーラン。
常用ブレーキをかけ、さらに非常ブレーキも使って止まり、出発は定刻の同9時14分50秒より約1分20秒遅れた。

猪名寺駅を加速しながら通過し、現場約1キロ手前の塚口駅を通過する直前、時速百二十数キロに達した。
そのころ、わずかなブレーキ操作が確認されたが、時速百十数キロで現場カーブに進入するまでの約40秒間は運転操作が行われなかった。

高見運転士は、カーブに入って約30メートル過ぎた地点から常用ブレーキを約4秒間かけたが、車両は左に傾き始め、午前9時18分54秒ごろ脱線。
約60メートル先のマンションに衝突した。

最大の謎は・・・

最大の謎は、ブレーキをかけずに現場カーブに入ったことだ。車両が傾いても非常ブレーキをかけなかった理由も不明だ。伊丹駅での遅れを回復しようと焦っていたとの見方もある。しかし、塚口駅からカーブ進入までに運転操作した記録がないことなどから、事故調は、高見運転士の意識レベルが低下していた疑いがあるとみている。

また、高見運転士は現場と伊丹駅で、常用・非常ブレーキが故障した場合に限られる「直通予備ブレーキ」も使っていた。

さらに、事故やミスを起こした乗務員に対するJR西日本の日勤教育(再教育)や社内処分状況の調査も進む。高見運転士の所属する京橋電車区の同僚がオーバーランなどで乗務を外されたことがあり、高見運転士も運転士になった直後の04年6月にオーバーランしている。宝塚、伊丹駅での連続ミスが高見運転士への重圧になったのかどうかの調査は不可欠だ。

業務上過失致死傷容疑で捜査している兵庫県警尼崎東署捜査本部は、異常な運転状況のため、JR西日本の安全管理や労務管理に問題がなかったか調べているが、事故の予見可能性の有無が今後の焦点となる。
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